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2007.04.03

雇用保険法改正案成立延期 与野党の駆け引きの影響 実務上の支障は?

19年3月29日の参院本会議で成立する予定だった雇用保険法改正案は、厚労省の関連資料の誤配布により、法案採決が4月中旬にずれ込む見通しとなりました。

資料配布ミスで異例の法案成立先送り…雇用保険法改正
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070329i112.htm

ただ、じゅうぶんな審議を尽くすために遅れるというのであれば話はわかりますが、どうやら与野党の駆け引きのために国民不在ともいえる、不毛な面がうかがえる点は、いただけません。

今国会では労働契約法をはじめとする多数の労働関係法案の改正、新法の審議がされています。新聞記事によると「法案の成立ずれ込みにより、4月からの保険料引き下げは実施できない。ただ、厚労省によると、保険料の徴収は5月20日が期限で、実務上の支障はないという。」というのは、はたして本当でしょうか?

雇用保険法改正案成立延期により実務上の支障は出てくると云わざるを得ません。

この時期、末端の現場では、労働保険料の年度更新事務に追われる最中の時期でもあります。このたびの影響により労働保険料の徴収事務についても、暫くは保険料の精算事務が出来ない状況となりそうです。

給与計算についても、4月1日以降に支払われる賃金に対する雇用保険料の新料率で保険料を控除することができません。
これは料率自体が未だ改正されていないので、実務上は現行の料率で処理するしかありません。ただ改正後、遡及して保険料率が改訂された場合には差額を精算する事務が発生することになります。

今回は年度末における法案成立の遅れと、厚生労働省のミス、そしてそれを政局の材料にしようとした野党という全てが悪く重なった結果が今回の法案成立延期という前代未聞の事態となってしまいました。

労働保険料の徴収期限は5月20日であるものの、委託先や顧問先の保険料計算事務を行っているところにとって、保険料引き下げの時期がいつになるのかは実務上重要でその影響は避けられません。

労働保険料の徴収事務にあたっては、確定賃金額に新旧の保険料率を掛けて、前年度の確定額と新年度の概算額により保険料の精算を行う仕組みです。
改正される予定であった、19年度の雇用保険料の改正がずれこんだことにより、実務上はその取り扱いが決まるまで、今暫くは保険料の計算が完了出来ないまま保険料申告書が各地域の労働局に出せない状況にあります。いずれ取り扱いの方針が定まってくるものと思われます。

ただ雇用保険料の引き下げの施行時期がずれて、年度の途中にでもなると、実務現場では事務処理の手間がかかり面倒なことになりそうです。

保険料の引き下げの時期は、保険料を負担する被保険者である国民にとっても利害関係が出てきます。中小企業にとっても引き下げの時期は早いに越したことはありません。

我々社労士などの実務家のみならず、各事業所の事務担当者にとっても少なからず事務処理上の影響が避けられず、今回の与野党の政治の駆け引きの影響により一番あおりを受けるのは、やはり末端で一所懸命に働いている事業主や労働者であり、国民だったという結末になりそうです。

国会議員の先生方には、国民の目線に立った政治を行っていただきたいと思います。

このたびの雇用保険法改正案の内容は以下のとおり。
http://sr.roudou.com/modules/smartsection/item.php?itemid=17

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