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2003.12.31

労基法の改正で「解雇紛争」はどう変わるか その2

 労働者が解雇されたとき、特に「解雇の予告」要件を満たさない解雇にあたっては労働者は最寄りの監督署に相談または申告をされることがよくあります
「解雇の予告」要件を満たさない解雇とは、具体的にどういうものかを説明しましょう。
使用者は労働者に対して解雇するときは30日前までに予告しなければなりませんが、その期間が足りないまま解雇しているケースがあります。
その期間が足りない分はどうなるかと云いますと、その日数分以上の平均賃金の額を使用者は解雇した労働者に支払わなければなりません。いわゆる「解雇予告手当」と呼ばれるものです。
即日解雇、つまり「明日から来なくて云い。今日でやめてくれ。」とその日に云うと30日分以上の平均賃金の解雇予告手当を解雇通告とともに支払わないと、労働基準法の手続きの面から無効となります。いわゆる法20条違反となるわけです。
内容的にどうとかというのではありません。要するに30日前に解雇予告されたかどうか、予告日数が足りないなら、その日数分以上の解雇予告手当を支払われているかが問われるわけなのです。(解雇予告を要しない例外規定もありますが。) 

【得ダネふぁいる】労働基準法編〈1〉急な解雇には「予告手当」 : 安心の設計 : 医療と介護 : YOMIURI ON-LINE (読売新聞)

解雇をめぐる労働基準監督署の行政指導では、その「解雇の予告」要件を満たさない、つまり、手続きの要件を満たさない解雇について、その手続きを欠けたことによる20条違反にもとづく行政指導を行うのが一般的です。

その解雇が内容的に有効なのか、無効なのかの点については、最終的には裁判所しか判断を下せませんし、その解雇が内容的に問題があったとしても監督署としては、そのことを事業主に対しては是正指導はできません。その場合、労働者がその無効を主張していくには最終的には裁判などでの民事訴訟になってくるわけです。解雇の有効、無効を裁定するところはあくまでも司法の場であるということです。

(もっとも近年こうした解雇トラブルをはじめとする労働紛争の増大により、※ [個別労働紛争解決制度」 で労働局長による当事者間の紛争を助言・指導あるいはあっせんをおこなって解決する途も開かれています。)

個別労働関係紛争対策概要

今回の労働基準法改正で、解雇紛争にあたっては、これらの様子がいくぶん変わってくることが予想されます。

就業規則への「解雇事由」の記載(第89条第3号)と労働契約締結時における「解雇の事由」の明示、労働者が解雇されて日から退職の日までの間においても、解雇の事由についての証明書を使用者に請求出来る(第22条第2項)ことになりました。改正前は退職後しか請求出来なかったのですが、特に今回の改正では在職中から出来ることとなりました。

在職中から請求できることにより、労働紛争はどう変わるのかは、さらに次回にシミュレーションして考えてみましょう。

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